生研では、住吉川とその支流に七つのポイントを決めて、それぞれ上流から順番に @渦森台、A地獄谷、B五助堰堤、C白鶴美術館前、D水道橋下、E新反高橋下、F島崎橋下、と名付けて、生物学的・化学的調査の観測地点としています。
本章では調査中に生研部員たちが出会った生き物を通して住吉川について見て行きたいと思います。
数字が大きくなる順に読めば上流から下流に、逆に小さくなる順に読めば下流から上流に、川を歩いているように思えるはずです。さあ、明日は本当に住吉川に繰り出してみませんか?
おことわり
現在は各地点の生き物に関する写真や文章が編集中のため、旧ホームページの掲載内容を元に@渦森台・A地獄谷・B五助堰堤の3地点をまとめた「上流地域」、C白鶴美術館前・D水道橋下・E新反高橋下をまとめた「中流地域」、F島崎橋下のみをまとめた「下流地域」の3地点に区分してそれぞれ生き物の解説を掲載しております。
新しい掲載内容が完成次第そちらの内容へ差し替えを行いますので、今しばらくお待ちください。
六甲山の斜面に並ぶ閑静な住宅街、渦森台の外れを流れる大月谷川。川原がほとんど見当たらず、川の両岸が垂直な石垣になっているこの河川は水辺の近くまで向かうのが大変難しい支流ですが、砂防ダムのすぐ上は比較的平らな川原があり調査の絶好のポイントとなっています。
西谷川上流にある荒神山ダムの手前、「地獄谷」と呼ばれる深いV字谷の入り口にあたるのがこの地点です。入る事ができるのは写真にあるダムのたまりの周辺に限られており、夏には蚊と蜘蛛が大発生する調査員泣かせのポイントです。
吉川上流、五助ダムの上に位置するこのポイントは登山道「太陽と緑の道」のそばにあります。街を流れる住吉川も、この辺りまで来ると観光地顔負けの渓流に。カワムツ・オイカワなどの魚やヤマトビケラなどの水生昆虫も多く、平らで大きな川原がある事から調査がしやすいポイントです。
清流の道の上流側折り返し地点に位置しているこのポイントは、町の中を流れる中流・下流のうち最も川幅の広がる場所です。川の中にブッシュがあると言うよりはむしろ背の高い草むらの中に川が流れている状態で、同じポイントの中なのに調査メンバーの姿が互いに見えなくなることもしばしば。
阪急の鉄橋の近くにあるこのポイントは、両岸に清流の道が通りあちこちに階段状護岸の設置されている非常に川へ降りやすいポイントです(階段状護岸については「住吉川ってどんな川?」参照)。この地点より少し下には「住吉川橋」と呼ばれる橋があり、川が橋の上を通ってJRの線路を越える珍しい橋として有名です。
学校に一番近いこのポイントは、春夏の集中調査の他に月一の調査などにも使用する基本ポイントとなっています。この辺りにも水道橋下と同様階段状護岸があちこちに設置されており、夏になると子供が魚取りや虫取りを楽しむ姿があちこちで見られます。
下流と言うより、むしろ河口そのものと言っても良いくらい海のすぐ側にあるポイントです。満ち潮の時に海水が流れ込んでくるため、両岸の石垣にはワカメが生え、ウナギやカレイ、スズキなどの魚がやって来るなど生態系と風景はがらりと変わってしまいます。ちなみに、島崎橋は下流側の清流の道折り返し地点となっており、以降は河口まで堰堤が続きます。