住吉川上流部の生き物

当ページには住吉川の上流部である渦森台・地獄谷・五助堰堤の3地点で発見した生き物の写真と解説を掲載しています。


渦森台・地獄谷・五助堰堤

本ページの画像と文章は生物研究部部報第93号と第94号内の記事を引用、一部編集したものです。

ヒラタカゲロウ幼虫

ヒラタカゲロウ幼虫 住吉川上流部の生き物 灘校生物研究部

カゲロウ目ヒラタカゲロウ科ヒラタカゲロウ属の仲間。尾は2本あり足の爪は1本で体は平べったい。 目が体の上側に付いており、腹部には特徴的な葉っぱの形をしたエラがある。川の流れの速い場所を好み、川底にある石の隙間にしっかりとくっついて暮らしている。

モンカゲロウ幼虫

モンカゲロウ幼虫 住吉川上流部の生き物 灘校生物研究部

カゲロウ目モンカゲロウ科モンカゲロウ属の仲間。尾は3本あり足の爪は1本で、腹部に特徴的な鳥の羽の形をしたエラを持つ。普段は川底に掘ったUの字型の巣穴の中で暮らすが、泳ぎも得意だ。

ナガレトビケラ幼虫

ナガレトビケラ幼虫 住吉川上流部の生き物 灘校生物研究部

トビケラ目ナガレトビケラ科ナガレトビケラ属の仲間。細長いイモムシのような体型をしており、3対の脚とは別に尾にも1対の爪を持つ。水が冷たくきれいな山の渓流を好み、川底の石や落ち葉の隙間で生活している。トビケラ幼虫ではめずらしい肉食として知られている。

カクツツトビケラ幼虫

カクツツトビケラ幼虫 住吉川上流部の生き物 灘校生物研究部

トビケラ目カクツツトビケラ科カクツツトビケラ属の一種。細長いイモムシのような体型をしており、落ち葉で作った巣を背中に背負っているのが特徴。巣の材料の落ち葉がたくさんある山地渓流に好んで住み着く。若い幼虫は砂粒で作った巣を背負うことが確認されている。

ダビドサナエ幼虫

ダビドサナエ幼虫 住吉川上流部の生き物 灘校生物研究部

トンボ目サナエトンボ科ダビドサナエ属の仲間。止水を好む種が多いので流れの速い住吉川の都市部流域ではほとんど見られない。ごく希に大雨のため上流の山間部から流されてきた個体が、都市部のブッシュに住み着いていることがある。

コヤマトンボ幼虫

コヤマトンボ幼虫 住吉川上流部の生き物 灘校生物研究部

トンボ目エゾトンボ科コヤマトンボ属の仲間。胸部と腹部が横に大きく広がってコインの様な形をしているのが最大の特徴で、トンボ目の中でも珍しい体型といえるだろう。泳ぐのが大変苦手で、普段は流れの小さな上流部の溜まりの底を歩いて移動している。上流部でも溜まりの少ない住吉川ではあまり見られない珍しいトンボだ。

ヘビトンボ幼虫

ヘビトンボ幼虫 住吉川上流部の生き物 灘校生物研究部

アミメカゲロウ目ヘビトンボ科ヘビトンボ属の仲間。渓流の川底の石の隙間で暮らしており、大きく強いアゴで水生昆虫だけでなく小魚まで食べてしまう。腹部の横から細い突起物がついており、その付け根にエラを持つ。名前にトンボとついてはいるが、実はカゲロウの仲間に近い。

ガガンボ幼虫

ガガンボ幼虫 住吉川上流部の生き物 灘校生物研究部

ハエ目ガガンボ科ガガンボ属の総称。幼虫は太めのイモ虫の様な姿で、山地渓流の落ち葉だまりや岩の隙間から、都市部の水たまりにまでありとあらゆる所に生息している。写真は日本最大種のガガンボでその体長はなんと6pもあった。成虫の姿は一言でいうなら巨大な「カ」。実は血は吸わないのだが、見た目が見た目であるので……誤解を受けてよく殺虫スプレーの餌食になる悲劇のムシ。

ブユ幼虫

ブユ幼虫 住吉川上流部の生き物 灘校生物研究部

ハエ目ブユ科ブユ属の総称。体型はイモムシ型で、頭部側に比べて尾側の方がやや太めで中央部にはくびれがある。胸部第1節には擬脚を、腹部8節には吸盤をそれぞれ持ち、それらを順番に用いてシャクトリムシの様に水中を移動する。清澄な水質を好み、早瀬や平瀬などの流れの速い流域で多く確認される。川底の石や沈下した植物体などに後部の吸盤で吸い付き、固着生活を送るようだ。

アミカ幼虫

アミカ幼虫 住吉川上流部の生き物 灘校生物研究部

ハエ目ブユ科アミカ属の総称。全身の各体節の間がくびれる独自の体型なのですぐに分かる。腹側に吸盤を持ち、水中の沈下物に吸い付いて固着生活を送る。清澄な水質を好むらしく、上流部で多く確認される。

サワガニ

サワガニ 住吉川上流部の生き物 灘校生物研究部

エビ目サワガニ科サワガニ属。本州で唯一の純淡水産のカニで、色は青色や灰色っぽい褐色のものが多い。右側のはさみの方が大きい。きれいな水に住んでいることが多く、きれいな水の指標生物として知られている。実は食用で、唐揚げなどで食べることができる。


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