住吉川下流部の生き物

当ページには住吉川の中流部である白鶴美術館前・水道橋下・新反高橋下の3地点で発見した生き物の写真と解説を掲載しています。


島崎橋下

本ページの画像と文章は生物研究部部報第93号と第94号内の記事を引用、一部編集したものです。

フナムシ

フナムシ 住吉川下流部の生き物 灘校生物研究部

ワラジムシ目フナムシ科フナムシ属の仲間。細長いゴキブリに似た形で灰褐色をしている。多くの脚を持ち、触角と尾はかなり長い。海辺で群生しており、走りはとてもすばしっこい。雑食性で生き物の死骸を主食として食べて暮らしているので「海辺の掃除屋」と呼ばれている。

マハゼ

マハゼ 住吉川下流部の生き物 灘校生物研究部

スズキ目ハゼ科マハゼ属の一種。成魚は汽水の魚だが、幼魚はかなり下流の方まで上ってくる。汚れた水にも強く、生存圏がかなり広い。産卵を終えると死ぬ。ハゼ釣りの対象で河口のような汽水域でよく釣られる。食用で唐揚げなどで食べられる。

ヌマチチブ

ヌマチチブ 住吉川下流部の生き物 灘校生物研究部

スズキ目ハゼ科チチブ属の仲間。昔はチチブとヌマチチブは同種だと考えられていたが、最近になって分けられるようになった。仲間のチチブとの違いは顔のまわりの白い点が多いことと、尾びれの付け根の長さが短いことだが、かなり曖昧で中間種もいるらしい。繁殖期の雄は雌を見つけると「グルグル」と鳴きながらジグザグの求愛ダンスを踊る。食用で佃煮にして食べる。

スズキ

スズキ 住吉川下流部の生き物 灘校生物研究部

スズキ目スズキ科スズキ属の仲間。大きさによって呼び名が変わる出世魚で、小さい方から「わかし→せいご→ふっこ→すずき」と呼ばれる。成魚は基本的に海水域で暮らすが、未成魚が河口付近の汽水域で以外によく見られる。食用で美味しい。

ボラ

ボラ 住吉川下流部の生き物 灘校生物研究部

ボラ目ボラ科ボラ属の仲間。成魚は主に沿岸などの海水域で暮らすが、幼魚は冬から春にかけて川を上る。泳ぎがたいへんく速くタモ網で捕まえるのが難しいので、我が部ではいつも釣り人さんに分けてもらう。食用で、卵巣からは「唐墨(からすみ)」が作られる。

イシマキガイ

イシマキガイ 住吉川下流部の生き物 灘校生物研究部

アマオブネ目アマオブネ科イシマキガイ属の一種。殻は丸型で大変固く、表面には三角形の小班がたくさんある。護岸のコンクリートやテトラポッド、水中の大岩などにくっついて暮らしている。房総・山陰以南に分布しており、淡水と海水とが混ざる河口などの汽水域に多く確認される。

マガキ

マガキ 住吉川下流部の生き物 灘校生物研究部

ウグイスガイ目イタボガキ科マガキ属の総称。殻の表面の溝や棘は殻長側から縁に向けて並ぶが、これは殻が放射状に成長するためとされる。実は必ず右側の貝殻で岩にくっついている。もちろん食用で、大変美味しい。生で食べたいときはちゃんと「生食用」を買いましょう。

フジツボ

フジツボ 住吉川下流部の生き物 灘校生物研究部

フジツボ目フジツボ科フジツボ属の総称。本体は石灰質で出来た頑丈な殻に包まれており、体節構造は持たない。殻の中からツル状の6対の食脚を繰り出し水中の獲物を捕食している。漁船の船底に付着して航行のじゃまをするので「かきがつく」と呼ばれ嫌われている。フジツボの殻は非常に鋭利なため海岸での採取の時に手を切って、あたりの海が血に染まるのは良くみられる光景である。我が部のことだけではないと思いたい。

テナガエビ

テナガエビ 住吉川下流部の生き物 灘校生物研究部

エビ目テナガエビ科テナガエビ属の一種。雄の長い手(前から二番目の足)は体長よりも長く名前の由来となっている。腕の左右の長さは同じだが、雌は雄に比べてあまり長くならない。逃げるときは長い足をのばして、後ろ向きに泳いで逃げる。食用のエビで佃煮や揚げて食べる。ゆでてもおいしい。

イソガニ

イソガニ 住吉川下流部の生き物 灘校生物研究部

エビ目イワガニ科イソガニ属の仲間。甲羅の形は四角で角が丸く、深い緑色をしている。はさみには斑点があり、残りの足には縞模様がある。岩の陰などを好み、藻や生き物の死骸を主食としている。汽水域の岩礁に多く住み着くことが知られている。

コサギ

コサギ 住吉川下流部の生き物 灘校生物研究部

コウノトリ目サギ科シラサギ属の一種。全身真っ白の小形のサギでシロサギの仲間の中では最小として知られる。くちばしと足が黒く、足の指は黄色い。頭部に2〜3本の長い飾り羽を持ち、魚や貝やカエルなどを主食としている。日本中に分布しており、冬期には多くが南下する。


Copyright(C)2004-2023 NBRC All Rights Reserved.