住吉川の河川調査

詳説版
 生物学的調査  (生物的調査)

 ・ 調査方法による相違点  戻る
 @.汚水生物系列 A.ベック−津田α法 B.ベック−津田β法
 C.汚濁指数法 D.簡易水質調査法 E.相互関係一覧表

 D) 簡易水質調査法

 旧環境、国土交通庁の両庁がまとめた観測法で、一般への生物学的水質調査法の普及を 目的としてまとめられている。特徴としては指標生物の同定を種単位まで行わずに類までに抑え ている点や、対象種を30と少々少なめに定義している点などが挙げられ、かなりの工夫が加えら れたことが分かる。前述したベック−津田α、β法や汚濁指数法は専門的で生物学の知識を要す る為、活用の場が限定されがちであるが、この簡易水質調査法は数時間の講習を受ければ誰でも 気軽に利用する事ができるだろう。今までは敷居が高いと倦厭されがちであった生物的調査だが、 最近は学校の授業などでも取り上げられるようになり認知度も高まってきている。ただ指標生物 の同定を簡略化している為厳密な意味での生物相がつかめない上、観測可能地形が少なく調査に 人手がかかるという負の一面もある為、一概に優れているとは言い切れない。初めにも書いたが 臨機応変に様々な指標や調査方法を利用した上で判断するのが最も確実な調査だと考えられる。 簡易水質調査法の制限については下のチャートに詳細を記することにする。



簡易水質調査法行動チャート


  ・調査は3〜5人を1斑として行う。
  ・観測する地点は水深30cm前後で流速50cm以下の礫底を選ぶ。
  ・観測地点の下流の網を敷き、手頃な石を回収した後に表面に付着した生物を採取する。
   (作業中に流された生物は下手の網に引っ掛かる)
  ・採集した生物を記録用紙に記入する。
  ・観測が終了したら移動させた石は元に戻し、採取した生物は逃がす。


 記録用紙記入方法

  ・出現生物の記録

   1) 出現した指標生物の欄に○印を記入し、特に多く確認された種類には●印を記入する。
   2) ●印の記入は調査ごとに3種までとする。

  ・水質判定

   1) 確認した全種類数(○ + ●)を、各水質階級ごとに水質階級判定の欄に記入する。
   2) ●印の種類数を、各水質階級ごとに同様に記入する。
   3) 合計欄に1)2)の合計を記入する。
   4) 3)の合計値が最も多い水質階級を、その地点の階級と判定し、最下欄にT、U、V、Wの
      数字で記入する。
   5) 2つの水質階級が同じ数値を取った際は、より上位の階級をその場所の水質階級とする。




指標生物30種類 対応一覧

↑ 指標生物30種類 対応一覧

指標生物について詳しくはこちらのページをご覧下さい。

簡易水質調査法記録用紙テンプレート(別掲)





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