かなり巨大な目で今までに発見された全昆虫のうちの10%をしめると考えられている。水中生活を送るものは多くはないが、それでも河川生態系における主役といって間違いないだろう。このグループの種レベルでの同定は判別に顕微鏡が必要な要素が多いため大変難しい。
◎ユスリカ科
巨大なハエ目の中でも、水生昆虫をもっとも多く擁する重要な科。体型はやや細長いイモムシ型で、第1節と第12節にそれぞれ1対ずつ擬脚を持つ。良い水質を好むものが多いが水中の酸素濃度が低い水域に適応した種も小数あり、呼吸を補助するための赤い色素を多く持つので体色が赤くなる。清澄な渓流から都会の用水路までありとあらゆる環境に適応しているため、指標生物として用いられる。
↑ 赤くないユスリカ科幼虫 2004年7月 六甲山にて撮影 |
↑ 赤いユスリカ科幼虫 ※ 住吉川産ではありません。 |
・体長は5〜20o程。
・やや細長いイモムシ型の体型。
・第1節と第12節にそれぞれ1対ずつ擬脚を持つ。
・赤いユスリカ幼虫は強腐水性、そうではないユスリカは貧腐水性を好む。
◎ガガンボ科
体型はイモムシ型で、肉質的でブヨブヨしたものが多い。水生昆虫の中ではかなりの大型で40mmを超えるものもある。流水性の種が多く、主に溜まりの落ち葉の下や、川底の砂礫の中などに生息する。属ごとで体型や生態が大きく異なっているため、ハエ目の中では比較的易しく属レベルまでの同定が可能だ。
↑ ガガンボ科ガガンボ属幼虫 2005年7月 六甲山にて撮影 |
↑ ガガンボ科ウスバガガンボ属幼虫 2004年7月 六甲山にて撮影 |
・体長は7〜30mm程。最大で40mmを超える大型の種もある。
・体型はイモムシ型。肉質的でブヨブヨしたものが多い。
・頭部は胸部にめり込んでいるため確認が難しい。
・一部の種は肉食。
◎ブユ科
体型はイモムシ型で、頭部側に比べて尾側の方がやや太めで中央部にはくびれがある。胸部第1節には擬脚を、腹部8節には吸盤をそれぞれ持ち、それらを順番に用いてシャクトリムシの様に水中を移動する。清澄な水質を好み、早瀬や平瀬などの流れの速い流域で多く確認される。川底の石や沈下した植物体などに後部の吸盤で吸い付き、固着生活を送るようだ。
↑ ブユ科幼虫 2004年 住吉川にて撮影 |
・体長は5〜10mm程。
・体型は短めのイモムシ型。頭部側に比べて尾側の方がやや太い。
・頭部に扇状に広がる刷毛を持つが、液浸標本にすると閉じてしまう。
◎アミカ科
全身の各体節の間がくびれる独自の体型で、部内では宇宙人型と呼ばれている。腹側に吸盤を持ち、水中の沈下物に吸い付いて固着生活を送る。清澄な水質を好むらしく、上流部で多く確認される。
↑ アミカ科幼虫 2007年3月 六甲山にて撮影 |
↑ アミカ科幼虫を背面から 2007年3月 六甲山にて撮影 |
・体長は5〜10mm程。
・各体節間のくびれが大きい独自の体型。
・腹側に吸盤を持つ。
◎カ科
体型はやや細長いイモムシ型で、腹部末端に空気呼吸用の呼吸管を持つ。河川のような流水環境よりも沼やプールなどの止水環境に好んで住み着き、水たまりのようなかなり水量の少ない場所かでも確認される。
↑ カ科幼虫 ※ 住吉川産ではありません。 |
・体長は5〜10mm程。
・体型は細めのイモムシ型。
・エラは持たないため、腹部末端にある呼吸管を水面に突き出して空気呼吸を行う。
・本科の幼虫はボウフラ、蛹はオニボウフラと呼ばれる。
◎ホソカ科
↑ ホソカ科幼虫 2007年3月 六甲山にて撮影 |
・ただいま調査中です。
◎アブ科
↑ アブ科幼虫 ※ 住吉川産ではありません。 |
・ただいま調査中です。
◎ナガレアブ科
↑ ナガレアブ科幼虫 2007年2月 六甲山にて撮影 |
・ただいま調査中です。
更新履歴
アミカ科の画像を差し替え。
カ科、ホソカ科、アブ科、ナガレアブ科を暫定追加
レイアウトを若干変更。