花粉管の伸長の観察-体細胞分裂の実験-M3-4 大須賀優太 この実験では、植物が受粉したときに花粉から伸ばす「花粉管」というものを観察できます。 (花粉管とは、植物の花粉が同種のめしべの柱頭に付着したときに花粉から伸びる管のようなもので、めしべの胚珠に到達すると受精し、種子の形成を始めます。) 実際に観察してみました。 ●動機 中一のときにもこの実験をやってみたが、上手くいかなかったので再び実験した。 ●準備するもの
●実験の手順 @花を選ぶ。 実験に使う花は基本的になんでもいいのですが、植物によって適当な培地(→A)の濃度や花粉管が出てくるまでの時間が異なるのであらかじめ決めておいた方がいいです。 ホウセンカやインパチェンスなどは5分ほどで伸びてくるので比較的やりやすいです。今回はインパチェンスの花を使いました。 A寒天培地を作る。 花によって適当な濃度が違うので注意が必要です。 今回は水100mlにショ唐5g、粉末寒天1gで実験しました。低温では溶けにくいので、かき混ぜながら温めてよく溶かします。 十分に溶けたらピペットを使ってプレパラートの上に数滴垂らし、固まるのを待ちます。 B花粉をのせる 培地が固まったら、その上に花粉をのせます。直接おしべを押し当てると花粉が付きすぎてしまうため、小筆などでやくに触れて少し花粉をとるようにします。 C観察する。 花粉をのせたら顕微鏡で観察します。さぁ、花粉管は伸びてくれるのでしょうか… ※室温が低いと花粉管がうまく伸長しないので、気温の低いときは窓際など太陽の当たるところで観察します。 ●結果 いくつかの花粉からは花粉管が伸びました。(写真参照) しかし、それが観察できた花粉はごくわずかでした。 ●考察 インパチェンスの花粉は楕円形であり、花粉管は米のようにてっぺんからややずれたところから伸びてくる。実は今回の実験では、花粉管が伸びた花粉はごく少数だった。これは培地の濃度が適当でなかったことが考えられる。このことは培地を作る際、なかなか固まらなかったことからも想像できる。次実験をやる機会があれば、濃度や花の種類をかえていろいろ実験してみたい。 Copyright(C)2004-2023 NBRC All Rights Reserved.
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