コラム
 やはり生研だけあって生物ネタ中心? 「研究」だけではわからない
部員たちの一面もご覧下さい。


Nの通信衛星

今年行われた夏合宿の日記です。(M2 溝端) 一日目 二日目 三日目


一日目

8月4日。さあ、今日から夏合宿だ!
今回の合宿は諸々の事情により校内合宿である。集合時間は朝8時。
(こんなに早くて全員時間通り来るのか?)
そう思いながら8時前に登校。 部室の前には人影が。しかし、二人だけ。
(二人?まさか、部長たち来てないのか?)
そこにいたのは新高のお二方。在来生の姿は見えない。
(やっぱりか…)
結局、全員がそろったのは8時半。
今日は三班に分かれて行動する。その斑決めを行った結果、
白き翼:野上(以下N氏)
黒の騎士団:永田
SOS団:大野編集長
となった。
(……)
白き翼は渦ヶ森、黒の騎士団は地獄谷、SOS団は五助、ということらしいが、それにしても趣味丸出しである。
(それに編集長って…)
話し合いの結果僕は高一の矢野氏、同級生の田尻とともにSOS団に入団することになった。


さて、場所が変わって、五助ダム。
ここに来るまで右も左も五助ダム方面という看板があったり、ヲタチックな趣味の話がエスカレートしすぎたり、と色々あったのだが割愛させてください。とても書ききれるとは思いません。
ここでは、チョココロネやおにぎりなどで各々腹を満たした後、観測と水生昆虫採集を行った。
定規を流速計作成の際に使った後、机の上に置き忘れていたため、温度計の目盛りで代用せざるを得なかったこと以外、アクシデントもなく、無事に次のポイントへ。

そのポイントとは春合宿でタム氏がヤシャブシのおしべを大量に降りかけられた場所。
メンバー全員が初めて行く場所であり、行き方についても部誌に書かれている以外のことはほとんど知らなかった。
当然の結果として道に迷ってしまった。こうなれば前にも一度行っているN氏に連絡を取るしかない!
ただし、山の中である。Docomoは圏外。
(ならばAUは!)
な、なんと3本立っている。
(よし、これで、道がわかる!)
「もしもし、大野やけど。Nが行ってた分かれ道ってさ…え?やっぱりあの道なん?わかった。ありがとう」
(あの道?ま、まさか!)
ここに来るまで、いろいろな分かれ道があったのだが、その大半が普通には通れない道。つまり、N氏達が通ったとは考えづらい道だった。N氏が行っていた道は、通れないことはないが、道というよりは天然の滑り台。降りるのは楽でも、登るのは…と思ってしまうような道だった。
おまけに、途中から草に隠れて見えない。周りに目印も無いためこの道がN氏の言っている道だという確証も無い。
(さあ、どうする?クールになれ!溝端俊介!)
結局、大野氏が下見、僕らは上で待機して、いざとなったら引っ張りあげる、ということに決まった。
身構えていたのだけれども、案外すぐに帰ってきて、大丈夫、とのコメントをしてくれた。
確かに、多少滑りやすいところはあったのだけれども、そんなにきつい坂でも無く、ポイントにもすぐに着いた。
一枚岩
噂の一枚岩で寝転がり、結構楽しかったのだが。
(ん?) なんだか右足部分がひんやりしてきた。言い忘れていたが僕はウェーダーを着ていた。そのため、水の中にも安心して入り、心地よさを味わっていたのだが、
(周りから伝わってきたにしては冷たいな…?!)
どうやら悪い予想は正解だったらしい。
ウェーダーに穴。そして浸水。
幸い、穴はかなり高いところにあったらしく、浅いところにいる限り浸水は無かった。
しかし、入ってしまった水が一気に出て行くはずも無く、右足だけがぬれている、という変な状況のまま帰ることとなった。やれやれ。

(何かがおかしい)
そう感じたのは帰途に入ってから十数分後。明らかに道が逆方向に向いている。 そういえば、来るときは散水用の水道管が足元を走っていた。
しかし、それが…ない。
そう、道を間違えたのだ。気づいていたのは僕だけでなく、矢野氏もだったようで、僕がそのことを大野氏に言ったら賛同してくれた。

道を少し戻ると、白い管が。見覚えがある。あとは一本道のはず。もう迷うことは無いだろう。そう確信した。
(確かに迷いはしなかったけど…)
林道を抜け、出てきた場所は「右も左も五助」看板の場所。
往路は右を選んだ。しかし今、左から出てきた。
(真実だったのか…ん?どこに分岐があったんだ?)
わからない…



二日目

今日は芦屋川へ。昨日は参加できなかった大須賀を加えた僕ら生徒は、JR芦屋駅から歩いていくのだが、網などのかさばる荷物は顧問が車で持っていってくださるらしい。
ありがたいことこの上ない。去年の夏合宿の際実感したのだが、網を持って電車に乗るのはかなり辛い。
本当に感謝しています。
そして芦屋に着いたのだが、大きな忘れ物をした事が発覚。
それは…バケツ。売っているところがなかなか無かったらしく、結構な時間がかかった。でもそんなの関係ねぇ!
…すいません。テンションがおかしかったことを反省しつつ、話を進めます。
芦屋川近くの道路にて顧問から荷物を受け取ると、そのまま川へ直行。
かなり大きな鮎らしき魚の姿が確認できた。
それを見て興奮する64回生S。
しかし、結果はヨシノボリ数匹+αといったところ。小物は逃がしていたので、そこそこ大物ぞろいだったが、Sは不満だったらしい。
食事も早々に済ませ、川の中に入っていた。

ところ変わってここは奥池。また顧問に荷物を送ってもらい、僕らはバス移動。
奥池は六甲山にある水源池。 正確には奥池ではなく、その近くのため池で狩りを行ったのだが、亀とブルーギルぐらいしか見当たらない。
(こんなところで何獲るつもりなんだ?ブルーギルでも獲って日本の生物を守る!とか言うのか?)
「この前来たときもあいつに挑発されたんですよ!これは捕まえないといけませんって!」と先生に訴える部長氏。
(挑発?魚が挑発なんかできないし…! まさか!)
「絶対捕まえないとだめですって、あの!」 無謀にも突き進む部長氏
(嘘だ!いくら亀でも近づいてこないって!それにこの池底ヘドロで埋まってるし、いくらウェーダー着ても無理だ!)
「ウェーダー着たら大丈夫ですって。捕まえて見せます!」
あの〜部長さん?本当に行く気なんですか?
「当たり前やん!」
…がんばってください

まさか本当に捕まえるとは…
そう、三十分間にも及ぶ死闘の末、ついに亀を捕まえたのだ!
捕獲された亀
おお、スゲー、とか思っていると、顧問の声がする。
「それ、今日解剖しいや。それを切らへんねんやったら永田の飼ってる奴切るぞ。」

結局捕まえた亀を解剖することになり、周りがすっかり暗くなった頃、戦いは始まった。
解剖しようと思ったら、まず甲羅を外さなければならない。
しかし、亀も人間に解剖されるために進化してきたわけではないので、さすがの部長氏も相当苦戦。
最終的にノミとかなづちを使い叩き割ることに成功したのだが、地獄はそれからだった。
なにせ臭い。
おまけに内部がわかりにくい。
顧問の一言。
「亀ってのはつくづく解剖に向いてへんなあ」



三日目

眠い。
とはいっても6時おきなので普段起きている時間と変わらないのだけれども、なぜか眠い。
今中二は昨日の後片付けを行っている。二班に分かれて。
(甲羅組じゃなくてよかった)
まだ肉の少し残っている甲羅を洗うのと、血しかついていないはさみやバットを洗うのではどちらがいいかと問われれば、答えは決まっている。少なくとも自分の中では。
朝食後、研修館(校内の宿泊施設)の後片付け開始。このとき既に大野氏帰宅。
片付けの際僕はキレテシマッタ・・。いやもう人間的に・・。
研修館片づけが済んだ後、住吉川下流へ。
さすがに慣れてしまったうえ、珍しいものも獲れなかったので、あまりテンションがあがらない。
しかし、どんなときでもN氏は素晴らしいことをしてくれる。
田尻におぶってもらい、対岸まで移動したN氏。何をするのかと思いきや、手に抱えているのは大量のアサリ。
(…ええ?!)
おまけに砂抜きまでやりだす始末。
結局、捨てて帰っていたのだが、それならなんで獲ってきたの?Nさん?

その後、部室に帰って反省会。とは言うものの、すでに部長が帰っているため 顧問の話がメイン。生研の歴史についてで、いつも聞いている内容だったが、いつもとどこか感じが違った。なぜだろう?

これにて2007年度灘校生物研究部夏合宿は終了。この後部室の大掃除があったのだがそれは別の話。次の合宿は春夏ともに校外合宿となるそうなのでこのページも次回はもっと充実したものになると思います。続くとしたらですが…。では、また因果の交叉路で会いましょう。
Nの通信衛星/公開(07.10.1)
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